私は、大工であった祖父の背中をみて大工の世界へ入り、ひたすら木と向き合ったきました。
木というものは、人間とよく似ています。
クセのある木、おとなしい木、曲がった木、素直な木・・・。一本一本に個性があります。
また、木一本、柱一本で家は建ちません。
その個性をしっかり見極め、その木が最も輝けるところへ持っていき、木と木を組み上げて初めて家が建つのです。
近年では、多くの家が木の個性をいかさず 合理的に建てられています。
こういう時代ですから仕方ありません。
ただ、私たちは、何かの都合で統一され個性を失いたくない・・・。
それぞれがその個性をいかせるところで生きたいと思うし本来の力がいかせると思います。
木もまた同じなのです。
その1本の木が行く場所はどこでもよいのではなく、ちゃんといきる場所があるのです。
それを見極めるのが私たち大工の仕事であり使命だと思います。
そのために、のじま家大工店では日々、木と向き合い、木の声に耳を傾けています。